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2016年12月31日土曜日

2016年の活動報告:今年もありがとうございました

みなさま、大変ご無沙汰しております。安藤です。
本日は、2016年12月31日 大晦日です。

今年は、世界情勢の大きな変化の中で、私たちがこれからどう生きていくべきか、当事者意識を持たなければならないことを改めて感じさせられた年だったと思いました。

さて、今年の活動をまとめたいと思います。

学内業務としては、今年から千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科を立ち上げ、1年生を迎えたことが大きな出来事でした。数年前からこの学部の企画の段階から携わってきたこともあり、大変思い入れのある学科です。新しい学問領域を意識しつつ、良い学生を育てらえるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

一方、研究活動・学外活動を振り返ると、やはりここ10年近く取り組んできたUXとUXデザインの知見を整理した『UXデザインの教科書』を出版できたことはとても大きな出来事でした。今年1年は、UXデザインの各種の本が出版され、本当にUXデザイン普及の年といっても過言ではありませんでした。UXデザインは一過性の取り組みではありません。これからもますます普及していくように努力したいと思います。

また、2010年に発行した人間中心設計の国際規格ISO9241-210の日本工業規格化(JIS化)の原案作成委員会の委員長として、審議活動を始めることができたのも、大きな出来事です。規格としては6年遅れではありますが、UXデザインに関する問題意識がこれほど高まるにつれ、その元となるHCDの考え方についての規格を改めて明確化するために、みなさまのお力をいただき、経済産業省・人間工学会・規格協会のご支援で取り組んでいるものです。改定前のISO13407のJISは、我が師匠である黒須正明先生が委員長であったことを考えると、感慨もひとしおです。2017年の完了に向けて引き続き努力いたします。

以下に、今年の研究・学外活動の主な成果をまとめました。学内手続きで色々ありましたが、企業と共同出願の特許をたくさん出しました。これも良い経験でした。あと学生が受賞したり、iSiDとのニュースリリースが回ったり、本当に色々とありましたが、楽しい一年でした。

年末は体調不良が続き、人生初の大腸内視鏡を経験したりしました。40歳を超え後厄も終わるわけですし、来年からは体のケアの優先度を上げて生活して生きたいと思います。

みなさまが良いお年をお迎えになり、迎える2017年が良い年となりますよう。
2016年12月31日   安藤昌也

=<2016年の研究・学外活動の記録>=

■出版
・『UXデザインの教科書』丸善出版 5月30日発行 (現在第3刷り)

■論文
・登尾・安藤「UXデザインにおけるコセプト評価の表現方法と効果検討 」ヒューマンインタフェース学会論文誌,(印刷中)

■学会発表等
・7件
  HCD-Net 4件
  ヒューマンインタフェース学会 2件
  応用心理学会 1件


■特許申請
・6件 (株式会社リコーとの共同出願)

■表彰
2016年度HCD春季研究発表会 優秀講演賞(院生と共著:人間中心設計推進機構)
・2016年度HCD春季研究発表会 優秀ポスター賞(院生と共著:人間中心設計推進機構)

■外部資金獲得
・科学研究費基盤(B)「社会的資源の配分を巡る譲り合い行動を促す利他的インタフェースの設計理論の確立」(継続)
・科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)「安全な暮らしを作る新しい公/私空間の構築」」企画調査「要支援高齢者を地域社会で見守るための協働・連携モデルと情報基盤の構築」(代表:村井祐一田園調布学園大学教授)

■社会貢献活動
・ISO9241-210(人間中心設計に関する規格)のJIS原案作成委員会 委員長
・人間工学デザインプロセス国際標準化検討委員会(WD27501) 委員
・(一社)テクニカルコミュニケーター協会 日本マニュアルコンテスト2016 最終審査委員
・株式会社リクルートホールディングス 全社表彰制度「TOPGUN AWARD(ENGINE FORUM:テクノロジー部門の表彰)」審査委員(3月9日審査会、5月13日共有会実施)


■非常勤講師
・熊本大学大学院 客員教授
  「デザインマネジメント」(6/25)
・九州大学 非常勤講師
  「文化人類学講義」(8/9〜8/12)
・産業技術大学院大学 非常勤講師 (履修証明プログラムディレクター)
  「人間中心デザイン入門」
  「人間中心デザインの認知科学基礎」
  「UXデザイン論」

■取材・広報
・日経テクノロジーonline 取材記事「本格的な導入期に入った「UXデザイン」」(2016/09/27)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/415543/092700049/?rt=nocnt

・Wireless Wire News 取材記事 『ヒトとモノを巡る冒険 #003(前編)』「「デザイン」は、今と未来のギャップを埋める方法論」(2016/10/4)
https://wirelesswire.jp/2016/10/56836/

・Wireless Wire News 取材記事 『ヒトとモノを巡る冒険 #003(後編)』「「技術による社会のバージョンアップ」の受け入れ方を決めるのがUXデザインの役割」(2016/10/7)
https://wirelesswire.jp/2016/10/56870/

・株式会社コプロシステム「Brand + UXデザインについて考える。(前編)」(2016/10/14)
http://www.coprosystem.co.jp/newsblog/think-brandux/2016/1014100000.html

・株式会社コプロシステム「Brand + UXデザインについて考える。(後編)」(2016/12/09)
http://www.coprosystem.co.jp/newsblog/think-brandux/2016/1209100000.html

・株式会社電通国際情報サービスニュースリリース「「デザイン思考ラボ」を発足し千葉工大・安藤昌也氏を招聘
http://www.isid.co.jp/news/release/2016/0927.html


■講演・プレゼンテーション・ワークショップ等
3月 安藤研究室活動報告会
3月 某自動車メーカー UXデザインセミナー
6月 某大手メーカー医療装置カンパニー UXデザインセミナー
6月 『UXデザインの教科書』出版記念セミナー@yahoo! Japan
7月 ITOKIセミナー
7・8・10月 某事務機器メーカー UXデザインセミナー&ワークショップ (計3回)
9月 ヒューマンインタフェースシンポジウム 講習会
   「ユーザーリサーチとサービスデザイン」ワークショップ企画・ファシリテート
9月 情報デザインフォーラム「人工知能技術は人間中心設計の議論の俎上に載せ得るか
9月 某情報産業系メーカー UXデザインセミナー
10月 日経 BP社主催技術者塾セミナー「UXとUXデザイン」
11月 ビジネス機器・情報システム産業協会(JBMIA)技術委員会HCD小委員会 合宿セミナー
11月 HCD-Net名古屋主催 『UXデザインの教科書』出版記念セミナー
11月 情報処理学会ドキュメントコミュニケーション研究会招待講演   
11月 日本人間工学会アーゴデザイン部会学生交流ワークショップ  
12月 某大手移動体通信企業 UXデザインセミナー
12月 北信越工学教育協会石川支部 学術講演会
12月 電子情報技術産業協会(JEITA)ソフトウェアエンジニアリング技術ワークショップ2016 講演
   
■共同研究・企業顧問等
(現在契約させていただいている企業・継続を含む)
<共同研究>
・株式会社リコー
・沖電気工業株式会社

<顧問・アドバイザー>
・株式会社コプロシステム
・株式会社電通国際情報サービス
・株式会社ユーザーローカル
・株式会社ARCHECO
・イデア・フロント株式会社

2016年5月25日水曜日

『UXデザインの教科書』出版記念セミナー 6月18日開催!

安藤昌也 著『UXデザインの教科書』の出版を記念したセミナーを、Yahoo! Japanさんの主催、東京ミッドタウンにて開催いたします!

実は、このセミナーは、ほぼ同時期にオライリー・ジャパンから出版された『UX戦略〜ユーザー体験から考えるプロダクト作り』の監訳者、安藤幸央さんにもご登壇いくことになりました。

『UX戦略』の監訳者である安藤幸央さんは、CGプログラマー/UXリサーチャーとしてご活躍される傍ら、UXデザインに関する書籍の翻訳や監訳などのほか、ブログ「安藤日記」や@ITでの連載「安藤幸央のランダウン」でも、UXデザインに関する知識をわかりやすく紹介・解説されていることでも著名です。

UXデザイン界では「ダブル安藤」ということで、どこかで一緒に登壇する機会をと思っておりましたが、今回初めて実現することになりました。

さらにもうお一人、気鋭のUXの論客、Supership株式会社の藤井幹大さんにもご登壇いただきます。藤井さんは、グッドパッチのチーフUXデザイナーを経てSupership株式会社のデザイナー。藤井さんのMediumは、最近「行動を設計するなら予期的UXにフォーカスしよう」などの一連の投稿が話題になっています。藤井さんには、事業サイドからUXデザインやUX戦略に関してお話をいただくとともに、パネルディスカッションのコーディネーターをお願いしております。

私の書籍『UXデザインの教科書』においても、UXデザイン戦略に関する考えが述べられており、セミナーでは、こうした点が論点になるのと思っております。

なお、セミナー後は、会場にて簡単な懇談会と「お悩み相談会??(未定)」を予定しております。

申し込み、および詳細は以下よりお願いいたします。
UXデザインの理論と戦略〜『UXデザインの教科書』出版記念セミナー申込み
(※なおこのセミナーは有料セミナーです)


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日時:2016年6月18日(土)13:30 受付開始  14:00開演〜17:30その後 懇談会
会場:Yahoo! Japanセミナールーム (東京ミッドタウンタワー 受付2階)
住所:東京都東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー 2階 受付にて
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プログラム

13:30 受付開始  東京ミッドタウン・タワー 2階にて受付  
    *チケットの金額をできるだけお釣りの無いようご用意ください。ご協力お願いします。
14:00 セミナー開始  主催者あいさつ
14:05 講演1:『UXデザインの教科書』著者 安藤昌也氏
  「UXデザインの理論・プロセス・手法の体系とポイント〜実践ではどこが重要か」
14:55 休憩
15:05 講演2:『UX戦略』監訳者 安藤幸央氏
  「UX戦略の本質〜いかに実践に結びつけるべきか(仮題)」
15:55 休憩
16:05  講演3:Supership株式会社 藤井幹大氏
  「事業での実践としてのUXデザイン〜UXデザインの戦略と理論をめぐって」
16:45 パネルディスカッション
  • パネルリスト: 安藤昌也氏、安藤幸央氏
  • コーディネーター:藤井幹大氏
17:30 懇談会(ビアバッシュ)
  ・飲み物と簡単なおつまみを用意します
  ・名札には、お名前ではなくUXやUXDに関する悩みや疑問を書いていただく予定です。皆様の交流を期待しております。
19:00までには終了
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・ベント参加費 (書籍なし) ¥2,500
・参加費+書籍『UXデザインの教科書 ¥4,300
・参加費+書籍『UX戦略』 ¥4,300
・参加費+書籍『UXデザイン教科書』&『UX戦略』 ¥7,000
・参加費 (事前に『UXデザインの教科書』を購入され、領収書または実物を提示いただいた場合。忘れた場合は2500円。『UX戦略』は対象外です)  ¥1,300
・学生特別チケット(限定10:社会人学生の方はご遠慮ください) 無料


2016年5月10日火曜日

『UXデザインの教科書』の詳細内容(第2報)

201658日に、第19回情報デザインフォーラムで「『UXデザインの教科書』を書きました」というタイトルでライトニングトークをしました。

書籍の内容をより詳細に紹介しています。




UXデザインの知識は多岐にわたります。しかし、UXデザイナー教育をするための、基礎知識の体系化はこれまで十分に検討されていませんでした。本書は、UXデザインを「デザインの実践」ととらえ、実践のためのインプットとアウトプットという視点から、知識を体系化することを試みました。

UXデザインの要素と関係性の図(下図)は、やや複雑に見えますが、「UXデザイン」に向かう矢印に注目すると、UXデザインのインプットを意味しています。逆に、「UXデザイン」から外に向かう矢印に注目すると、UXデザインの主なアウトプットを示しています。

本書の第2章は、UXデザインの要素と関係図に取り上げた7つの要素について、それぞれの基礎知識を解説しています(なお、本書ではビジネスについて”ビジネス戦略の把握”を除き対象としていない)。


<2章の詳細目次>
2 基礎知識
 2.1 UXデザインの要素と関係性
   2.1.1 実践としてのUXデザインの基本フレーム
   2.1.2 UXデザインのアプローチ:インプット
   2.1.3 UXデザインのアプローチ:アウトプット

 2.2 ユーザー体験
   2.2.1 ユーザーとは
   2.2.2 ユーザー体験の位置づけ
   2.2.3 UXの定義
   2.2.4 体験の期間で異なって知覚されるUX
   2.2.5 使う意欲と利用態度
   2.2.6 UXと体験価値

 2.3 利用文脈
   2.3.1 利用文脈とは
   2.3.2 様々な利用文脈のとらえ方
   2.3.3 手段選択における文脈の多様性

 2.4 ユーザビリティ・利用品質
   2.4.1 製品・サービスとは
   2.4.2 ユーサビリティとは
   2.4.3 目標達成と人工物

 2.5 人間中心デザインプロセス
   2.5.1 人間中心デザインプロセスとは
   2.5.2 HCDプロセスの理解
   2.5.3 ISO以外のHCDプロセスの体系

 2.6 認知工学・人間工学・感性工学
   2.6.1 関連する学問領域
   2.6.2 UXデザインに必要な認知工学の基礎知識

 2.7 ガイドライン・デザインパターン
   2.7.1 ガイドライン
   2.7.2 デザインパターン

 2.8 UXデザイン
   2.8.1 UXデザインのプロセス
   2.8.2 UXデザインの取り組み方

2016年4月30日土曜日

『UXデザインの教科書』という本を書きました(第1報)

みなさん、こんにちは! 安藤です。

この度、『UXデザインの教科書』という本を書きました。まだ出版までは時間があるのですが、ご紹介させて頂きます。

UXデザインに関する取り組みの拡大とともに、UXデザインの本は多数出版されるようになりました。しかし、UXデザインの実践的な本はあっても、アカデミックな内容から実践までを広く・浅く・ポイントを押さえて書かれた『教科書』は、世界的にも多くありません。

今後、UXデザイナーを育てるための基盤知識の整理のためにも、実践としてのUXデザインを分解して知識と紐付けた教科書を書きました。

同時に、私自身が実践してきたコツやノウハウを余す所なく書きました。書きすぎて、当初の2倍のページ数(多分260ページ)になってしまいましたが、役立つ内容になるよう書いたつもりです。

瞬間的に買ってもらう本ではなく、新入社員、新入生が入ったら買ってもらって読んでもらう。そして、3年くらいは手元に置いて、メモを書きながら使い込んでもらう本として企画しました。自分だけの、UXDの教科書に育ててもらえるような、そんな本を。。。

まだ出版は少し先になりますが、また動きがありましたらお知らせします。丸善出版より発売予定です。

また、6月には出版記念セミナーも計画中です。そこでは、本をご購入いただける機会をもうけつつ、内容の解説をしたいと考えております。ぜひ、第2報をお待ちください。

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<紹介>
ユーザーエクスペリエンスとは私たちが製品やサービスを使うときの体験、「ユーザー体験(UX)」のことである。
本書では優れたUXをデザインするための理論とプロセス、手法に関する知識を体系的に解説する。
内容はアカデミックなものも含んでいるが、これはUXデザインが小手先の手法の話ではなく、また、最近はやりのテクニックでもないことの証でもある。
先駆的な人たちが、ユーザーにとって“いいものを提供したい"という想いでチャレンジしてきた成果の蓄積によって成り立っている、一つの学問領域でもある。
本書は、UXデザインに関わる人たちが、学問領域としての背景を理解してもらい、その上でより良い実践を行ってもらうための「教科書」である。
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<目次>

本書の目的・構成・使い方


1 概要
1.1 UXデザインが求められる背景
1.2 ユーザーを重視したデザインの歴史
1.3 UXデザインが目指すもの
2 基礎知識
2.1 UXデザインの要素と関係性
2.2 ユーザー体験
2.3 利用文脈
2.4 ユーザビリティ・利用品質
2.5 人間中心デザインプロセス
2.6 認知工学・人間工学・感性工学
2.7 ガイドライン・デザインパターン
2.8 UXデザイン
3 プロセス
3.1 利用文脈とユーザー体験の把握
3.2 ユーザー体験のモデル化と体験価値の探索
3.3 アイデアの発想とコンセプトの作成
3.4 実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化
3.5 プロトタイプの反復による製品・サービスの詳細化
3.6 実装レベルの制作物によるユーザー体験の評価
3.7 体験価値の伝達と保持のための基盤の整備
3.8 プロセスの実践と簡易化
4 手法
4.1 本章で解説する手法
4.2 「1利用文脈とユーザー体験の把握」の中心的な手法
4.3 「1 利用文脈とユーザー体験の把握」の諸手法
4.4 「2 ユーザー体験のモデル化と体験価値の探索」の中心的手法
4.5 「2 ユーザー体験のモデル化と体験価値の探索」の諸手法
4.6 「3 アイデアの発想とコンセプトの作成」の中心的な手法
4.7 「4 実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化」の中心的な手法
4.8 「4 実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化」の諸手法
4.9 「5 プロトタイプの反復による製品・サービスの詳細化」の中心的な手法
4.10 「5 プロトタイプの反復による製品・サービスの詳細化」の諸手法
4.11 「6 実装レベルの制作物によるユーザー体験の評価」の諸手法
4.12 「7 体験価値の伝達と保持のための基盤の整備」の文献紹介
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所属が変わりました!

みなさん、こんにちは。安藤です。

2016年度が始まって、今日はもう4月30日。ご挨拶が遅れましたが、4月1日より、所属が変わりました。

新: 千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授

連絡先等は変更ありません。実はまだ名刺ができておらず、順次新しい名刺にします。

知能メディア工学科は、構想段階から関わってきた学科です。人工知能、メディア工学、情報デザインの3つの領域を組み合わせた、新しい領域を開拓していきます。

なお、旧デザイン科学科は3年間は兼務となり、変わらずデザインの学生たちとUXやUXデザインに関する研究を続けてまいります。

今後とも宜しくお願い申し上げます。